動物への適切なMDMA投与量

 本資料は、メチロン(高木一行氏の裁判で問題となっている物質)類似のMDMAを使って人の研究を行なうのに適切な培養神経細胞への投与量について報告されています。舩田報告書において使用されたMDMAの分量が不適切であり、それに基づくメチロンに関する推測もまた必然的に不正確であり、麻薬指定の根拠となり得ないことを示しています。

Sheridan, R.D, et al., Effects of seven drugs of abuse on action potential repolarisation in sheep cardiac Purkinje fibres. Eur J Pharmacol. 2005 Mar 28;511(2-3):99-107.(世界で最も多く参照され、権威あるものとみなされている医学文献検索サイトPubmedによる)

 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15792777

作成者  Rober D. Sheridan (イギリス防衛科学技術研究所バイオメディカルサイエン所属)
     その他
作成日  2005年3月

 

<英文>

Effects of seven drugs of abuse on action potential repolarisation in sheep cardiac Purkinje fibres

Abstract
Seven drugs of abuse have been examined for effects on the action potential in sheep isolated cardiac Purkinje fibres. Phencyclidine (5 μM) induced a significant increase (30.7%) in action potential duration at 90% repolarisation (APD90). Similarly, 10 μM 3,4-methylenedioxymethamphetamine (MDMA, ‘Ecstasy’) induced a significant increase in APD90 of 12.1%. Although Δ9-tetrahydrocannabinol (0.1 μM) induced a small, but statistically significant, 4.8% increase in APD90, no effects were observed at 0.01 or 1 μM. Cocaethylene (10 μM) induced a significant shortening of APD90 (- 23.8%). Cocaine (up to 1 μM), (+)-methamphetamine (‘Speed’; up to 5 μM), and the heroin metabolite, morphine (up to 5 μM), had no statistically significant effects. The possible significance of these findings is discussed in the context of other recognised cardiac effects of the tested drugs.

 

<和訳文>

 ヒツジ心臓プルキンエ線維の活動電位再分極に対する7種の乱用薬物の作用

 要旨

 7種の乱用薬物について、分離したヒツジ心臓プルキンエ線維の活動電位に対する作用を検討した。フェンシクリジン(5μM)により、90%再分極時の活動電位持続時間(APD90)の有意な延長(30.7%)が誘発された。同様に、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA、「エクスタシー」)10μMにより、APD90に12.1%と有意な延長が誘発された。Δ9-テトラヒドロカンナビノール(0.1μM)ではAPD90に4.8%とわずかだが統計的に有意な延長が誘発されたが、0.01μMおよび1μMでは作用を認めなかった。コカエチレン(10μM)により、APD90の有意な短 縮(-23.8%)が誘発された。コカイン(最大1μM)、(+)-メタンフェタミン(「スピード」、最大5μM)およびヘロイン代謝物であるモルヒネ (最大5 μM)には統計的に有意な作用を認めなかった。以上の結果が持ちうる重要性を、試験した薬物について認められているその他の心臓作用との関連から考察する。

 翻訳者 帆足茂久(医学博士)