刑務所より愛を込めて No.1


文/高木一行
〜 2016年4月28日〜


愛する美佳、

 4月26日、広島地方検察庁の前で君と別れた後、直ちに隣接する広島拘置所へ移り、「収監」が開始された。
 大阪拘置所で過ごした2ヶ月間が、4年半の刑期より差し引かれ、満期釈放予定の日は平成32年(2020年)の8月26日! 私の誕生日というところに超宇宙的なジョークを感じる。2002年に90日間の連続断食を行なった際、あらかじめ計算して開始したわけではないにも関わらず、8月26日でちょうど90日を迎えたのと同じだ。やはりこれは、「修業」なのかねえ。

 ここ広島拘置所で1ヶ月半~2ヶ月程度を過ごし、適性検査などを経て、どこかの刑務所へ移送されるらしい。つまり、移送先を決めるのは広島拘置所ということになる。なお1ヶ月半~2ヶ月というのはあくまでも目安であり、2週間ほどで行先が決まるケースもあるとのこと。
 いずれにせよ、ここにいる間、こうして手紙を出したり受け取ったりできるし、面会も可能だ(詳しくは拘置所に問い合わせてほしい)。ただし、手紙も面会も、相手は君のみに、当面は限定される。支援グループのコアメンバーについては、落ち着き先が決まってから登録しようと思う。

 4月27日、早速「刑務」が始まった。居室内で手提げ袋を折ったり貼ったりする作業だが、大きな折り紙のようなものをイメージしてほしい。結構難しく、最初はもたついたりしたが、すぐに慣れてきて、「もっとゆっくりでいいですから」なんて、隣の人から言われるようになった。収監に備えて新調した眼鏡が大いに役立っている。

 現在、5人部屋で過ごしている。同居者は20代から60代後半まで、年齢も「罪状」も様々な面々だが、皆、非常に礼儀正しい。そして、全員が、実際に自らが体験した裁判の在り方に大変な不満を感じているようだ。
 2年数ヶ月の裁判を通じて私たちが得た結論は、やはり我が国の司法全体が陥っている病の本質をついているのだろう。

 意外なことに、ここ広島拘置所は結構「まとも」なところだ。大阪拘置所のように横暴な職員にも、今のところ出会ってない。無意味な規則が理不尽に強要されることもない。
 今後、刑務所へ移れば状況が一変するのかもしれないが、いかなる状況であろうと、愛を込めてそれを抱き締め、敬いつつ、修業に専念する。

 私の裁判は、明らかな、というよりあからさまな、検察官と裁判官によるデッチ上げが発覚したところで、無理矢理、強制終了となった。冤罪・・・。実際にはやってない罪に対する4年半の懲役刑。
 ここへ来てすぐ、居室内備付のリーフレット『受刑者生活の心得』なるものを読んだが、その中に「自分が犯した罪の重さと、被害者やその家族の苦しみについてよく考え、反省しなさい」、とあった。私の場合、被害者も迷惑をかけた相手も「皆無」であり、4年半の実刑に値する罪を犯してもいないのに、それで一体どうやって反省すればよいのか。
 ・・・と、本当のことを主張し続けたら、「反省の意志なし! よって仮釈放を認めず。刑期満了まで刑務所で過ごすべし!」と決めつけられるのだろうか。
 だからといって、少しでも早く出所せんがために、やってもいない罪を認め、「悪うございました」と心にもない嘘をつくとしたら、それは自らの魂を踏みにじることを意味する。

 冤罪に対して異を唱え、再審請求や、問題を広く国民全員に問いかける司法革命の活動を展開しながら、それはそれ、これはこれとして、天命としての修業を、お互いに楽しもうじゃないか。
 人間というものの本質について、刑務所で学べることがたくさんあると感じている。

 受刑中なんだから、あれこれ不自由なことはたくさんあるけれども、不平も不満も特に感じない。過去や未来に想いが向きそうになった時は、直ちにレット・オフすればスーッと楽になる。冤罪のことを思えば怒りや憤りにとらわれそうにもなるが、そんな時、「イエス」と心の中でヒーリング・マントラを唱えれば、心と体が柔らかく開いて、すべてをただあるがままに受け容れることができる。
 朝と晩、布団の中でうつ伏せになり、自分の拳を腹に敷いて「イエス」のヒーリング・マントラを黙唱する基礎修法は、4月16日の龍宮道指南会(注1)でも少し紹介したが、適応力を養うこのメソッドは、刑務所においても確かに「効く」。いや、刑務所のような極限状況でこそ、より効果を発揮する。「外」にいる人たちは、拳ではなくソフトボールを使い、1度に腹の数ヶ所へ働きかければ充分だ。実行時間、わずか2~3分。10畳ほどの居室で5名が暮らす環境でも、誰にも迷惑をかけることもなく実践できる。
 こういう修法を知らなければ、刑務所生活はもっとずっと重苦しく、みじめなものとなるに違いない。
 ついでだから書いておくが、外くるぶしと内くるぶしを軸として爪先を立て、足首をヒーリングする調律法において、最初は軸から爪先側を意識するが、慣れてきたら軸から踵側も同時に、意識する。施術時間数秒で、足首が別人のようにしっかりし、全身の安定感が増す。
「極楽の会」(注2)でも、研究・実践するといい。

2016年4月28日       
刑務所より愛を込めて。一行

 

注1 龍宮道指南会:収監直前に開催された、<龍宮道>の体験会。ギックリ腰の方が参加され、指南会後に劇的に改善したというご報告がありました。
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注2 極楽の会:広島で開かれている、龍宮道の研究会。「心身一如のトータルなヒーリング(いやし)」をテーマに活動中です。
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